事例紹介 - 分光計で玩具の検査効率を向上
分光計は、さまざまな業界での製品の検査に使用されています。
食品や飲料においては、食品成分の分析や汚染物質の検出、製品の品質保証などに使用されています。化粧品においては、製品の品質や安全性、一貫性を保証するために使用されています。
玩具の安全試験: 要求事項と課題
イスタンブールを拠点とするカズルチェシュメ(Kazlıçeşme) テスト・ラボラトリーズは、生物致死性のある製品や子供・ベビーケア製品、皮革、靴、繊維製品、玩具、文房具、宝飾品アクセサリーなど、その他多くの分野を専門とする主要な認定試験所です。彼らは国内および国際基準に従って製品の安全性と業界基準を保証することを専業としています。
2013年にトルコ初で皮革のみの研究開発センターとしてスタートした同社は、近年では、玩具検査市場や特に電気回路を含む玩具における検査能力を向上させています。
電気回路を使用した玩具の安全性を規定するEN IEC 62115規格では、光学的安全性についての具体的な要求事項が詳述されており、LEDなどの光源を評価することも含まれます。こうした玩具は、欧州外から輸入される製品が多いため、欧州の安全規格に適合しているかどうかを確認するために再検査が必要になることがあります。
この市場への参入を決めた際、克服すべき課題がいくつもありました。例えば、この事業での競合他社は、モノクロメーターをベースにした分光計を使ってこれらの試験を行っていました。しかし、この種の装置は時間がかかることが多く、煩雑であるため、効果的に他社と競合するにあたり研究所の検査能力の潜在的な障害となることがあるため、より効率的なソリューションを必要としていました。そこで、光学測定セットアップの分野で定評のあるコンサルティング会社、ソラク(Solak)が登場します。
ソラク(Solak)は、光学測定に関する技術サービス、システムインテグレーションのコンサルティングにおいての経験が豊富なことでよく知られています。同社はトルコ国立計量研究所やトルコ標準協会(TSE)の他、様々な教育機関と緊密な関係を構築しています。カズルチェシュメテストラボラトリーズは、TSEの同僚から薦められて、より効率的なソリューションを求めてソラクにコンタクトしたのでした。
ソラクは、先進的な光学測定ソリューションで知られるAdmesy社と以前から関係がありました。この関係は、数年前にソラックが業界の展示会イベントでAdmesyと面識を持ったことがきっかけでした。その後、ソラクはAdmesyの冷却機能付きセンサーを採用した分光計の初回バージョンを購入しました。ソラクのテクニカルセールスリーダーのVural Koksal氏は以下のようにコメントしています。「弊社は何年も前の展示会でAdmesyと出会い、Admesyから色彩輝度計を購入しました。その後、他のプロジェクトでもAdmesyとの関係を発展させてきました。数年前には、Admesyから冷却機能付きセンサーを採用した分光計の最初のバージョンを購入したんです。 私達はAdmesyの製品をよく把握しているし、彼らのの製品は汎用性が高いので、Admsyと仕事をする方が都合が良いのです。」
ソラックはカズルチェシュメ・テスト・ラボラトリーズに包括的な技術指導を行い、EN IEC 62115規格の詳細な必要事項を理解することをサポートして、彼らのニーズを検証しました。Koksal氏は以下のようにコメントしています。「顧客のニーズをすべて理解したうえで、私達は様々な機器を提案します。結果、顧客は私たちが提示したした機器を全てを取り入れます。」
適切なソリューションを見出すAdmesyの分光計ネオ(NEO)
協議を重ねた結果、ソラクはAdmesyのo分光計ネオを中心としたソリューションを提案しました。ネオを選択した理由は幾つかあります。まず、高速な測定能力です。LEDの点滅しているような断続的な発光の挙動を正確にとらえるためには極めて重要です。また、ネオの高度なトリガーオプションにより、玩具から発せられる様々な光パターンに正確に同期させることができます。また、ネオは直接接続できる大口径のコサインコレクタが利用でき、且つ測定波長範囲が広く、カズルチェシュメ・テスト・ラボラトリーズの多様なテストニーズに適していました。
機器を購入してから、カズルチェシュメ・テスト・ラボラトリーズは、ソラクから機器の使用方法や測定結果の解釈の仕方、レポートの作成方法に関する幅広いトレーニングを受けました。これにより、彼らは分光計ネオの機能を十分に活用できるようになりました。
このソリューションの実行中に直面した大きな課題の一つは、玩具が示す光のパターンが様々であったことです。玩具の各サンプルは独自のシーケンスで発光を始め、あるLEDが点灯すると同時に別のLEDが消灯すといった感じです。これは、正確な測定をするうえで大きな課題となりました。しかし、ソラクは、分光計ネオの高度なトリガー機能を駆使することで、玩具の光パターンに正確にタイミングを合わせて、同期させたことで、この問題を克服しました。
ネオの高度なトリガー・オプションは、玩具が示す様々な光のパターンに正確に同期させることができた。
このソリューションの実行中に直面した大きな課題の一つは、玩具が示す光のパターンが様々であったことです。玩具の各サンプルは独自のシーケンスで発光を始め、あるLEDが点灯すると同時に別のLEDが消灯すといった感じです。これは、正確な測定をするうえで大きな課題となりました。しかし、ソラクは、分光計ネオの高度なトリガー機能を駆使することで、玩具の光パターンに正確にタイミングを合わせて、同期させたことで、この問題を克服しました。
結果と今後の予定
3社のコラボレーションは素晴らしい結果をもたらしました。研究所は現在、EN IEC 62115規格に準拠した玩具の光学的安全性試験に対応するための設備を完備してています。分光計ネオの導入により、検査工程の効率と精度が向上したため、カズルチェシュメの研究所は、より迅速で信頼性の高い検査サービスを提供できるようになり、市場での競争力が強化できたわけです。
さらには、分光放射輝度計の組み込みに成功したことで、ソフトウェアのカスタマイズに新たな道が開かれました。これにより、カズルチェシュメの研究所は特定の規格に合わせたレポート画面を利用できるようになりました。この適応性により、同社はより幅広い顧客層を獲得し、業界での地位をさらに高めることができるでしょう。
分光計ネオの概要
以下は、Admesy分光計ネオが光測定アプリケーションに最適なソリューションである理由を簡単にまとめたものです。
- 250 nm~1100 nmの幅広い波長範囲が利用可能
高い光スループット設計
優れたリニアリティ、1%以内の内部補正
- 暗電流補正、積分範囲全体において実質ゼロ
0.1nmの波長分解能で波長校正