色測定:色空間と色域について
CIE色度図は、人間の目の平均的な分光感度を図に表したしたものです。これは、可視域の全ての色を3つのパラメータ(三刺激値)の関数として指し示したもので、人間の目の感覚とは異なる色相を人間の視覚の平均的な感度に相似させたものです。
この測色法は、CIE1931規格によって一般に知られるようになりました。CIE1931の色度図で表現される色空間は、空間の端に各スペクトル色の分布があり、その中に人間の目で感知できる全ての色相が表現されています。これにより、正確な色測定ための信頼性の高いプラットフォームが構築されており、現在も広く使われています。
デジタル機器の場合、CIE 1931規格に基づく色測定が、機器の色域を測定するために行われることが多いです。これによって、機器が忠実に再現できる色のサブセット(小規模の組み合わせ)を定義します。
色域とは何か?
色域とは、一つの光源が生成する特定の色空間内の可視光波長域を示す指標をいいます。一般的には、CIE1931色度図中の領域で表わされ、続いて可視スペクトルがどの程度を表現できるかを決定づけるために使用されます。
2次元のデジタルディスプレイをはじめとする光学技術の色測定は、標準的な色域をどれだけ包含しているかが重要になります。Rec.709は、高精細映像コンテンツの最初の標準仕様であり、CIE1931色空間の約35.9%をカバーしていました。1990年に導入された当時はこれで十分でしたが、28年前は一般的だったブラウン管(CRT)や標準的な液晶ディスプレイ(LCD)の基盤を、オプトエレクトロニクス技術が凌駕してしまいました。
現在の色測定では、デジタル機器の色性能を評価するために、複数の色域基準を用いています。DCI P3は、CIE 1931の45.5%にも相当し、機器の構造によっては実現が困難です。市場を台頭しているOLEDやUHDTVなどが先にDCI P3を100%カバーすることが期待されていましたが、現在把握されている最も完全な色空間であるRec.2020の登場により、その期待は駆逐されてしまいました。
Rec.2020は、4Kや8K解像度のディスプレイの色出力の標準化を確立する次世代の色域です。しかしRec.2020のカバー率を75%以上にすることは困難であり、現在の色測定の実証では、中域波長と緑のスペクトルを再現することは根本的に難しいとされています。
Admesyによる色測定
Admesyは、最先端のディスプレイ技術の色測定の光学機器のトップメーカーの一つです。ディスプレイ全体の色出力や表面の色素毎に分析できる分光光度計や色彩輝度計を豊富に取り揃えています。弊社の色彩輝度計のプロメテウスシリーズ、分光放射計のネオシリーズ、ヘラシリーズは、ディスプレイ・アーキテクチャーの色分析を行うのに適した測定機器です。