分光計と高速光度計を用いたLEDの性能管理
発光ダイオード(LED)は、その優れた特性から多くの用途で使われています。LEDは通電すると、電子が正孔と再結合して、光子を放出するエレクトロルミネッセンスという現象を利用したものです。
LEDの利用が増えたのは、その優れた特性によるものです。他の光源と比べてエネルギー効率がよく、長寿命で、高い耐久性があります。こうしたLEDは自動車、航空、医療、家庭用などさまざまな分野で利用されています。こうしたLEDの需要が増える中、その性能は重要になっています。
LEDによくある課題
LEDは従来の光源と比較して優れていると考えられていますが、それでも問題がある場合があります。LEDは同じロットから製造されたにも関わらず、光学特性に大きなばらつきが生じることがあります。LEDを高い品質を保つためには、色や明るさにばらつきが生じないように生産工程で監視する必要があります。
LEDに駆動回路と電源を組み合わせる際に生じるフリッカーもまた、LEDによくある課題です。フリッカーはLEDの輝度レベルが高速で繰り返し変動することで生じ、LEDそのものが原因ではなく、電気設計も含めた他の電子機器との組み合せによって生じる影響です。フリッカーには目に見えるものと目に見えないものの2種類があり、いずれも人体に複影響を及ぼす可能性があります。
目に見えるフリッカーは、人間の眼で知覚することができ、光感受性てんかんのある人は発作を起こすことがあります。目に見えないフリッカーは、人間の目で感知できませんが、頭痛や吐き気、眼精疲労などの影響を与えることがあります。
LEDの品質の確保
品質が安定しない、フリッカーといった課題を解決するには、製造時に分光計と高速光度計を使用します。分光計は大変汎用性の高い機器でLEDの品質を向上させるための様々な光測定が可能です。
放射輝度や放射照度の測定は、LEDの品質管理において非常に有効です。これらの測定は、LEDのエネルギー強度に関するデータを提供してくれます。こうした測定を用いて、測定したルーメン、ルクス、カンデラの値を比較することができます。
また、分光計は色域の校正にも使用することができ、先ず白色点を校正して、次に赤・青・緑の最大値を調整して、各LEDが全く同じ色出力となるようにします。分光計は、赤・青・緑の値を測定して、それをXYZ、Yxyに変換するために使用し、この3種類の色点を用いて色域を確定させます。色域の校正することで、LED毎の色のばらつきを抑えることができます。この白色点や色域の校正により、使用するLED単体が異なっていたとしても、LED光源用の全く同一のカラーパレットを作成することができます。
一般的に分光計は積分器であるため、フリッカー測定を実行するために使用することはできません。そのためには、光関数に対応した高速光度計をすることで、光出力の時間的な高速変動を検出して、フリッカーの量を計算します。
高精度の分光計や光度計は、LEDの品質を保証するために必要になります。Admesyでは優れた光測定を行う製品を製造、供給しています。Admesyの分光計や高速光度計の詳細については、弊社までお問い合わせください。