透過測定とは?
入射光が表面に当たると、反射や吸収、透過のいずれかが生じます。反射とは、光が界面で弾かれ、伝搬元の媒体に戻っていくことを指します。吸収とは、光の波が媒体の中を伝搬していく際に、測定資料内部の電子に奪われるエネルギー量を指します。これによって原子の励起や蛍光が発生することがあります。一方、透過とは透明または半透明の物質を透過した光を測定することを指しています。
透過測定は、薄膜や箔、ガラスの製造といったエレクトロニクスやライフサイエンスの分野で益々重要性を増しています。また、キュベットでの溶液測定も、蛍光分析の際に光透過と分光透過の両方の透過測定が日常的に行われています。このページでは、透過測定についてもう少し詳しく説明します。
半透明、透明な媒体の透過測定
透明な媒体の透過特性の測定は比較的単純です。光源のスペクトルと光出力は、測定資料の干渉を受けることなく、参考標準または基準線として測定されます。次に入射させるビームの角度は、スネルの法則に従い、透過した後のビーム角度を確定させます。高感度の光検出器を透過光の経路に沿って設置して透過前後の光の測定値を比較します。その両者の差から測定資料の透過特性が得られます。
透明な媒体の透過測定は、透過角度が簡単に計算でき、回折後も入射ビーム径が変化しないので単純です。そのため、透過光はそのまま検出器のレンズに入射してくれます。半透明な材料の場合は、材料の光学特性によって入射ビームが様々な方向に拡散・散乱をすることがあるため、透過測定には材料によって個別の課題が発生します。
拡散性の材料と非拡散性の材料の透過特性は大きく異なります。そのため、分光測定による評価で測定資料の全体的な透過特性を取得するために異なるサンプリング技術が必要となります。
透過測定用の測定機
透過測定は、分光透過特性、色測定、光密度の3種類に明確に分類されます。この3種類の測定を全て行える分光測定は、AdmesyのNeo分光放射計シリーズの他には殆どありません。250~1100nmのダイナミック波長域をカバーし、スリット幅もフルカスタマイズ可能なので、個別の仕様に応じた精度の高い測定データを取得することが可能です。
また、光学濃度(OD)測定が可能なフィルターホイールの搭載も可能です。ODは、測定試料に入射する放射強度と測定試料を透過する放射強度の対数比として計算されます。高度なOD測定は、従来の装置では困難でしたが、溶液中の浮遊粒子の定量測定など、様々なライフサイエンス分野での応用が広がっています。
Neo シリーズは、コサインコレクタや積分球など、様々な形態での透過測定に対応できるように完成度の高いシステムに構成することが可能です。
Admesyの透過測定装置
Admesyでは、OEMの組み込み、ディスプレイ、照明、外観測定など、民生用途や学術的な場面で使用される光学測定装置を開発しています。分光放射計や光測定機器を幅広く取り揃え、テクノロジーやライフサイエンスの分野での革新的な研究開発をサポートしています。
Neoシリーズや測定アクセサリによる透過測定について、より詳しい情報をご希望の場合は、私たちにお気軽にお問い合わせください。